AREZZO日誌

  1. 8月24日
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  5. 8月28日
  6. 8月29日
  7. 8月30日
  8. 8月31日

8月24日(第1日)晴れ

12:00
一人も欠けることなく成田空港出発。エール・フランスの機内で、スチュワーデスさんに唯一言えたのが「メルシー」だけだったのはちょっと悲しかった。 帰りはもう少し何か言えたらいいけど…
16:40
 パリ着、イタリアが近付いてきた。ここからはちょっと小さめの飛行機でフィレンツェへ。
20:40
 フィレンツェ着。ここはドゴール空港と違い、田舎町にある小さな空港。お迎えのバスが来ないということで、タクシーでグランド・ホテル・バリオニへ。 このタクシーの怖さといったらなかった。スピードは100q以上。ホテルに着いた時はホッとしてしまった。まだ町を歩いていないけど、ホテルのバーから見た夜の町に感激。 前から来たかったヨーロッパ、私のデビューはイタリアからになった。これから先の6日間がとっても楽しみ。もちろんコンクールもね。(洋子)

きょうの宏樹 「普通」
 どうも先生は機内で見た「東京日和」に感動していたらしい。


8月25日(第2日)晴れ

今日はいよいよArezzoに着きました。フィレンツェからバスで50分くらいで、平和で小さなかわいい街とご対面しました。ホテルからバスで練習場所へ行き、キリストの絵が壁に掛けられている部屋で練習しました。旅の疲れか、久しぶりの練習のせいか、いまいち思うように歌えず…。未熟者なのね…。でも頑張らなきゃ…ね! という感じでした。
2時間の練習の後、とってもステキなレストランに行きました。バザーリの回廊にかわいいパラソルとテーブルがあって、豪華な前菜と4種類のパスタでお腹はいっぱい、目もいっぱい。目といえばボランティアのパウロ君はメチャかっこ良くて美城さんは大喜び。
朝、理江が使っていた部屋の(ていうか私もだけど)シャワーの水が出っぱなしで止まらなくなって1時間後に修理人が来たことや、フィレンツェのホテルでバスが来なくてずっと待ってたことは、昨日のことのように感じるくらい、今は練習のことしか覚えていない。大変だけど、イタリアにはコンクールのために来たんだものね。私達はなんて幸せなんでしょう。音楽のことだけ考えて過ごせる日々なんて、一生のうちに何回あるか…。 (靖子)

きょうの宏樹 ごはんの時「ご機嫌」
        何もの時「普通」
        練習の時 やはり「不機嫌」


8月26日(第3日)曇り時々晴れ

コンクール初日。午前中はホテルから徒歩5分の教会を貸していただいて練習。祭壇正面の大ステンドグラスに朝の陽が差し込んで、涙が出そうなくらい美しい。神父様に教会の説明をしていただいてから声を出す。長い長い残響に助けられて幸福感に満たされたひととき。
今日のお昼はハンバーグ。食後、新調したドレスでコンクール会場へ移動。教会脇の石畳で待機する。教会内部は乾燥しているし、歌い手のすぐ後ろに織物が掛けてあり、思っていたよりも歌いづらい。戻ってくる音もずっと高い所で鳴るだけなのでかなり不安。ピッチも悪く先生の指がしばしば上を指す。
でも、この充足感は何と言ったらいいのか。演奏が終わって外へ出てもまだ教会の中から拍手が聞こえ、イタリア人らしきおじさんから「ブラビッシモ!」と声を掛けられる。
夕食後、浴衣に着替え(これが大変! 安保さんにも手伝っていただいた)フォルクローレ会場へ。ホグセット氏率いるGrex Vocalisの演奏に感動する。Juriの演奏は他の団体からみると異質すぎたようだった。
パウロが等声部門の結果を教えてくれた。もっと重々しく発表されると思っていたのでちょっと拍子抜けだったが2位とのこと。これで宿代を支払う心配がなくなった。そして29日にもう一度教会で演奏できる!
大変だけど、すごくうれしい。頑張るぞ! ということで、夜中にみんなでビールで祝杯をあげました。(里美)

きょうの宏樹 比較的「ご機嫌」


8月27日(第4日)晴れ後曇り

今日はフォルクローレ部門に参加した団体が民族衣装を身にまとい、アレッツオの街をパレードする予定。まずはイタリアに着いて初めての観光です。ウフィツィ美術館で古典からルネッサンス、ボッティチェッリの「春」やダ・ヴィンチ、ラファエロの絵画を鑑賞し、ドゥオーモ大聖堂では高い天井に描かれた、とてつもなく大きな素晴らしいフレスコ画に圧倒されてしまいました。
昼食はフィレンツェの街並みを一望できるレストランで、リゾット、魚、おいし〜いデザート(ティラミス等)を頂きました。
いよいよパレードです。どの国もとても素敵な民族衣装。アレッツオの旗持ち隊(何ていうの?)、音楽隊に続いて、私達は浴衣姿で先頭を歩いていきます。途中、少し雨に降られましたが気分は最高です! 等声部門GIAPPONE2位入賞のニュースは昨夜イタリアのテレビで放映され、アレッツオでの私達はちょっと有名人です。浴衣姿にもみとれてくれている様で(?)町綾ちゃんには、イタリア人画家のカメラに浴衣姿がおさめられ、「完成した絵を送ってあげるよ」という突然の素敵な出来事が起こりました。
私も「旗持ち隊に息子がいるのよ」というおばさまに、持っていたうちわ(町綾ちゃんからもらったもの)をプレゼントしたら、いたく感激してくれて「う〜苦しい〜」というほど抱きしめられてしまいました。うれしそうな笑顔で胸に抱えられたうちわを見て、幸せな気持ちになりました。その後は、各国有志で合唱を披露したり、人種も国境も超えて、すべてを忘れて人間が一体になれる音楽って素晴らしいなぁと実感しました。自分がなぜこんなにも音楽を愛するのかが改めて分かった一日でした。ここへ連れてきてくれた藤井先生、Juriの皆さん、本当にありがとう。(Juriでの初舞台、美和子)

きょうの宏樹 「ご機嫌」


8月28日(第5日)晴れ

今日は午前中いつもと違う練習場所で11:30まで歌い、その後はショッピングをして歩きました。いろいろなお店を見て歩き、たくさん買った人も多かったのではないでしょうか。私と雅美ちゃんと坂本さんは一緒に行動していたのですが、PM3:30までのショッピングでは全然足りないという感じでした。お昼は街でパスタやウサギの肉(鶏肉 のささみのような感じでした)を食べました。追加注文したスパゲティはアルデンテではなく、坂本さんが怒っていました。
その後街を歩くと、シエスタ中で本当に静かな街になっていました。3:30から再び練習に入り、明日教会で「みづいろの風よ」を演奏できるのが楽しみな一方、ちょっとの不安もあったのでした。その後はもう少しショッピングをしてGrexの演奏を聴きに教会へ行きました。
Grexの前の合唱団の時は、高い所から降ってくる響きが思ったより少なかったけど、Grexが歌い出した時からその違いに気付きました。1曲目が終わった所で思わず拍手しそうになったのは私だけではないと思います。全部の演奏が終わったときには、コンクールに来たというより、彼等の演奏を聴きに来たように思えました。とにかく素晴らしい演奏でした。
そして今日はラウラから私達全員にチョコレートのプレゼントがありました。しかも一つ一つ違ったメッセージが入っているものです。ラウラと仲良くなれたことも、うれしかったです。
今日の心配事が一つ。昌子ちゃんが病院へ行きました。明日は声が出るようになるかな?  全員でしっかり歌えるとうれしいと思います。(洋子)

きょうの宏樹 「ご機嫌」
        午前の練習で"LirU"をやっている時 「不機嫌」


8月29日(第6日)曇り時々雨

イタリアに来て、たくさんの思い出と感動は数え切れない程あっても、こんなにたくさんの涙を流したのは今日が初めてだと思います。
「もう明日帰るんだ…」と寂しく起きた今朝。2位入賞のコンサートのため練習場へ行き、そこで初めて歌う順番が分かったり、会場の教会へ行ってからその順番が変わったりしました。サラセン人のお祭りのパレードが通ったら、演奏が中断する可能性があるというのもイタリアだからね…。
私達はこの日初めて自分達の国の歌が歌えました。新実先生の「みづいろの風よ」は、Juriにとっていろいろな思い出がある曲です。今日の演奏は歌っている私達も気持ち良く、和音を楽しみ、広がりを感じ、たくさんの努力の後の「音を楽しむ」という幸せを感じた人が多かった…。これってスゴイことだよね。そしてそうした演奏は必ず聴衆にも伝わるのでしょう。イギリスのヒリアード・アンサンブルの指揮者、D・Jamesは演奏直後に藤井先生を追って会場から出てきて、新実先生の連絡先を教えてくれと言ってきました。ほかにもフランスからはツール・コンクールのお誘いがかかり、ローマでコンサートを開かないかと言われるなど、たくさんの人達に「みづいろ…」は大変気に入られたようでした。私達が歌った曲は、日本ではともすれば難曲として片付けられてしまうような曲だけど、この素晴らしい曲をあちこちの国へ伝えることができた。私達が大好きな音楽することを通じて!
  午後はシエスタ。いいねぇー。イタリア人に生まれたかったヨ、と数多く思うことの第1位。
その前に、コンクールの練習で使わせていただいた教会へ、神父様にお礼のあいさつに行きました。お土産を差し上げて、アンドリーセンの"Kyrie"を歌った時、そこで初めて歌った時の感動とはまた違う感動、寂しさやぬくもりがこみ上げてきて、全員涙、涙でした。これ以上ない優しい笑顔の神父様とお別れするのはとても辛いことでした。
夜はGrex Vocalis! これに尽きます。ハンガリーのデブレツェン音楽院合唱団もすごく良かったです。でも、Grexの音楽は人を幸せな感動に包み込んでくれる何かが存在し、涙が止まらない。人は悲しい時とか嬉しい時も涙が出るけど、幸せな気持ちにさせてくれることに出会うと、こんなに穏やかで静かでも涙が出るんだね。
Grexも最初にアレッツオのコンクールに出た時は2位だったんだって。それから随分時がたち「今日のグランプリを団員がこんなに喜んでくれるなんて」とホグセット先生は言っていたそうです。
私達も人を幸せにできるかしら。幸せで涙を流す人を音楽を通じて見ることができる日が来る? (靖子)

きょうの宏樹 「ご機嫌」


8月30日(第7日)晴れ

昨夜はグランプリ・コンサートが開かれた後、映画"Life is Beautiful"でも使われていたオープンカフェでGrexの皆さんに誘われ、まだ元気の残っている8名程が祝杯に参加させていただきました。(この時点で既に日付は30日です)
ここで聴いた、Grexの皆さんから次から次へと出てくる音楽に、これまで感じたことのないような満ち足りた気持ちでいっぱいになり、説明のつかない涙があふれて止まりませんでした。今思えば、靖子さんの言うように、穏やかで静かな幸福感からの涙だったと思います。
ホテルに戻ったのは、もう既に明け方だったと思います。2時間もたたないうちにホテルを出発です。
ボランティアのラウラが見送りに来てくれました。色々本当にありがとう。またいつの日か会えるといいな。
そして今、私達は日本へ向かうエール・フランスの機内にいます。
JAPANの文字を背負った体操着の若い女の子の団体(体操選手かな?)も一緒です。非常に元気で眠気も覚める勢いです。そう感じているのは私ぐらいなのでしょうか。皆さん就寝中です。みんなはどんな思いを胸に日本へ向かっているのでしょうか。いい顔で眠っています。
私はといえば、Grexのコーラスが心に響いた、その幸福なひとときや、アレッツオの教会で歌った感動など、たくさんの素敵な思い出にひたりながらカップラーメンを食べるところです。帰ったらお寿司が食べたいな。(美和子)

きょうの宏樹 「普通」


8月31日(第8日)晴れ

8:04
 居残り観光組(理江、朝子、桂子)を除く全員無事に成田着。文香さんのスーツケースが破損するというアクシデントがあり、事故処理のため安保さんは最後     まで忙しい。
9:30
 空港内で簡単に解散式をする。安保さんからは、音楽に限らず人々の生活など、今回体験したことすべてを今後に生かしてほしいというメッセージをいただいた。     藤井先生からは(1)良い演奏ができJuriとしても成長した(ホント?)こと(2)日本の作曲家の作品を良い状態で紹介でき、それが評価されたこと―の2点が今     回の大きな成果だったという話があった。
9:40
 そんなこんなで団体行動は終了しました。みんなスーツケースの中よりも、心の中に大きなお土産を詰めて帰路に就いたことでしょう。パウロ、ラウラ、記録     担当として八面六臂の活躍をして下さった古田さん、そして何から何まで面倒を見てくださった安保さんに心より感謝申し上げます。皆さん、お疲れさまでした! (里美)

◎ きょうの宏樹 「普通」
        でも、ご自慢のスーツケースがボコボコでかわいそうだった。