Tolosa & Vaison-la-Romaine
女声アンサンブルJuri 海外演奏旅行記録

♪おもひで☆ひとこと♪

【末寛子さん】

新風−スペインの風 早くも日本を離れて、1年8ヶ月が過ぎた。日本の生活に限界を感じて筝を持って一人でイギリスに来たものの、外国の生活は日本人である以上、いつまでたっても楽なものにはならない。
そんな中、スペインで藤井先生やJuriの皆さん方にお会いできたことは、コンサートの緊張と疲れの連続の毎日の中ではありながらも、日本から来た皆さんとは違った安らぎを得られたように思う。しかも、バスク地方にいながらバスク人顔負けの甲州弁が披露されたことは、現地ガイドのイニーゴが甲州弁「テッ!(驚嘆に使うときの言葉)」を使い出したことからも明らかで、私も山梨へ一週間里帰りしたような変な気持ちで再びイギリスへ戻った。
コンサートでは、Juriとの共演で柴田南雄作曲の“さくら”と私の自作曲“スペインの風”の二曲を弾かせて頂いた。この自作曲は、二年前にスペインの南部アンダルシア地方をレンタカーを借りて旅行したときの様子を表現したもので、闘牛やフラメンコダンサーのステップを取り込んで独奏曲に仕上げたものだ。まさか、この曲が歴史あるスペインの古い街々の教会で演奏できるとは…本当に貴重な体験をさせて頂き感謝で一杯だ。
私たちが泊ったサラウスという街は大西洋を観望できる美しい場所だった。私はJuriの皆さんが練習している間に、ホテルから3分の海辺を散歩して、スペインの風を一杯に吸った。寄せては返る波のしぶきを顔にいっぱい浴びて、健康にこれまでやってこれたことに感謝した。スペインのコンサートで毎日演奏して脳裏に焼きついた“さくら”のメロディーからふっとあのときのステージを思い出す。難病の子どもたちのために、総勢100人で作った3年前の甲府市総合市民会館でのコンサートだ。Juriとはこのステージで出会った。あの子どもたち、今はどうしているだろう。あの時のことが未だに忘れられず、出来ることならイギリスで音楽療法士の資格を取って日本に帰るつもりでいる。再び訪れたスペインの新風は、やさしく私の背中を押してくれた。

【忠親くん】

藤井先生、Juriの皆さん、そして石田君本当にかけがえのない時間を有り難うございました。皆さんと共演させて頂いた日々を、僕は生涯忘れません。スペインでの空の下、まぎれもなく生きていました。その想いを胸に、これからどんな環境に身を置こうとずっとずっと生き続けます。皆さんと出会えたことに心から感謝します。有り難うございました。

【雅さん】

ヨーロッパの教会と世界の合唱、そして地元の人々とのふれあいをどうしても体験したいと言う希望のもと、団員ではないけれどもJuriのみなさまと一緒に参加させて頂きました。今回の旅では、日本では決して体験できないものばかりでした。素晴らしい教会、そこで歌われる美しい合唱、そしてそれを聞きに来てくださる心温かいバスクのお客様達。何一つ汚れたもののない世界、すべてが美しい空間をそこで体験し、演奏が終わる頃にはもう言葉も出ずに、思わず涙…。コンクール期間中に世界中の合唱団達と次第に仲良くなり、お互い母国語ではない片言の英語を駆使して意思疎通を図るその姿は、本当に平和そのものでした。合唱を通して世界が一つになった瞬間を経験しました。
このような貴重な体験が出来たのも、藤井先生を始め Juriの方々、望月忠親さんのお陰です。ありがとうございました。それにしても、今回の旅はよく笑いましたね。

【昌子ちゃん】

2002年のカンタートでのブスト氏との出会い、これが今回の演奏旅行のきっかけだった。
からだとこころいっぱいで私たちに「自国の音楽」を伝えようとしてくださるブスト氏。それに答えようと必死になる私たち。でも、何か、違う。氏の音楽を理解しようとつとめることはできても、表現まで追いつかない。からだが音楽と一体になっていかない。この歯がゆい気持ちはそのままトロサに持っていくことになる。
トロサでは音楽づけの毎日。コンクール、コンサート、そしてコンクール。音楽をしていることが日常になってきた。でも、まだ、まだ、だ。もっともっと音楽の中に入り込みたい。もっともっと音楽してみたい。目の前にいらっしゃる聴衆の方々(聴衆は普段合唱をしていない方々だったりする)のように。
そんなとき、ミサに出席した。こころを、神にささげている方々と出会った。神と向かい合い、こころを脱いでいくひとたち。音楽をするというのはあのことと同じなのだと、日本に帰った今あらためて思う。
私の、私たちのこころははだかになれるのだろうか、これから。

【里美さん】

企画段階から実現に至るまで、いつも不安でした。無事に行ってこられれば満足と思っていましたので、好成績をお土産にできて幸せです。
ゲチョでの初めての演奏会。狭くて暑い楽屋で休憩15分間に全員和服に着替えられた時「これで何も心配はなくなった」と思いました。みんなちゃんと準備してきてくれたことが分かり、一人静かに感動していました。で、その後は安心しちゃって連日「食べて飲んで歌って寝る」旅芸人生活を満喫しました。
たががはずれたため緊張感が欠如し、コンクールの日も昼間からワインを飲んでしまいました。「今日は控えろ」と怒られたけど、時すでに遅し…。
お琴の末嬢、忠親君に雅さん、添乗の安保さん、ボランティアのイニーゴ、今回一緒に行けなかったJuriらーのみんななどなど、お力添えいただいたすべての方に、心からありがとうと申し上げます。

【りえちゃん】

とにかく毎日眠かったけれど、楽しい日々でした。
日本を発つ前は、スペイン滞在中のハードスケジュールと暗譜に目がくらみそうでした。体力にも自信が持てず(5年前、トロサで救急車に乗るという前科有り)、不安は募る一方。
でも、現地に着いてしまったら、そんな不安はどこ吹く風。朝から晩まで歌うこと(どんなに練習が厳しくとも、地方巡業も体にこたえるなぁと思いながらも)に集中していました。そして、その力の源はやはり各地で出会う人々の暖かさからでしょうか。涙ながらに私の手を握るおばあちゃんのその手からは、感動のぬくもりが伝わってきました。音楽に“国境”って本当にないですね。
こうして楽しかった日々はあっという間に過ぎ去り、お財布もすっかりからっぽになりました。(ね、昌子ちゃん。)また一から精進あるのみです。

【夕貴ちゃん】

初めての海外演奏&コンクール。未踏の地スペインに対する不安と、それ以上に大きな期待に胸弾ませながら日本を後にしました。
スペインでの生活は、まるで夢のよう!綺麗なホテルに美味しい食事、美しい景色に心温かい人々…。たくさんの素敵なことに出会えたスペインでした。
しかし、一番大きな経験は「教会」を体験できたことです。教会での演奏は、聞いていた通り素晴らしい体験でした。どんなに響きのいいホールでも、あんな音に出会ったことはありませんでした。今まで歌ってきた西洋音楽は、こういう環境から生まれたんだなぁ、と心から実感することができました。
また、各国から集まってきた言葉も通じない人々と、歌を通して交流できる素晴らしさも、実感することができました。やっぱり音楽って素晴らしい!これからもずっと歌っていきたい、もっとがんばろう、と思ったトロサコンクールでした。
私事ですが、次回チャンスがあれば、最後まで体調万全でいられるようにがんばります。皆様に大変お世話になりました、本当にありがとうございました!

【陽子ちゃん】

私の中で一番印象に残っている事。それは世俗曲のコンクールが終わった後、会場の映画館から出てきた時のことでした。道路を挟んだ向こう側の歩道で、若い男の人たちが酔っぱらって楽しげに騒いでいて、そして肩を組んである歌を歌い出したのです。それはJuriでも歌った kaia barrenian。そんな彼らをトロサの人々は咎める事無く、むしろ楽しげに眺めながら歌を口ずさむ…。見ていて、なんだかこっちも楽しくなるような光景でした。
この事を思い出すと、同時にコンクールやコンサートで歌ったときのお客さんの反応を思い出します。笑顔の人、「ブラヴォー!」と言ってくれた人、涙を流して聞いてくれていた人…。音楽が普通に生活の中に息づいているからこそ、歌を普段から口ずさみ、歌を聞いて感動する。そんな人たちが沢山いるこのバスク地方、そしてトロサで歌うことができて本当に良かった、と思うのです。学生のうちにこんな貴重な経験ができて本当に良かった。そしてこんな機会を私に与えてくれた藤井先生やJuriに本当に感謝です。

【文香さん】

文香の11日間って。
心に残る物事には、言葉に出来るものとそうでないものがあって、その両方をこの11日間で山のように味わいました。
雨が多かったお天気も、朝のパンもミルクも、たっぷりのお昼も、いろいろな更衣室も、お手洗いも。コンサート会場となったいくつかの教会。ここから入場して、とたどっていけば、来てくださったお客様の様子が思い出されます。最後のコンサートで出逢ったおばあちゃん達は私達のことを忘れないでいてくれるでしょうか。どの会場でも暖かく迎えてくださった沢山の方々の気持ち、私達が忘れてはいけませんね。
コンクール。緊張していたのに、一曲終わる度にコンクールということを忘れていった様な。とにかく、何もかもがそういう雰囲気で、私には心地よく、そして“!”の結果までいただいて。嬉しい!もう1回言って!
何だかね、とても幸せな一日一日でしたが、最終日に熱が出てしまい、ご迷惑をおかけしました。私を連れて帰ってきてくれて有難うございました。いろいろな“スペイン”(ちょっとしか知らないけど)(ニュージーランドの彼と写っている新聞も大事だ)を私の心という小さな風呂敷に包んで、大切にしまっておこうと思っています。
時々広げて、風を通し、私も元気をもらって−。
(追記:あの怪しげな中華料理店のスープ麺とチャーハンは、スペインで味わった微妙な日本みたいな味でした。でも美味しかったです。安保さん、有難うございました)

【知佐ちゃん】

忘れられないものたち〜あいうえおじゅん〜
[イニーゴ]「アアア」と笑う、かわいい笑顔の現地ボランティア。もっと話しかければよかったな。
[歌三昧]幸せな歌の毎日…いいえ、来たのはコンクール。楽しさだけではないことを改めて実感。がんばろう。
[鞄]シエスタ中の鍵の掛かったドア越しに、「I want a bag!」と叫んでみると、気合いが通じて入店許可。皮のボストンに大満足!
[教会]初めて味わった、空から声がふってくる感じ。気持ちいい…。お気に入りの教会はオルディシア。
[黒い犬]海岸で出会った青い首輪の真っ黒な犬。くわえていたボールを、私の目の前にコロンと落とす。投げるとうれしそうに拾ってくる。ボロボロのマイボールは、宝物なんだろう。
[サラウス一人旅]最終日の早朝、決行。海岸の端から端へ。まもなく去りゆく街を、ロマンに浸って一人旅(散歩)。これがいいのよね。
[トロサのバール]束の間の自由時間、トロサのバールに飛び込んで、15分間の乾杯。ワインよりコーラの方が高かった。その後きいたポリフォニーは、まさに夢心地。
[バスクの風景]なだらかな緑の丘と羊の群。山あいの赤い屋根の村。晴れ間からこぼれる光、輝く遠くの丘。トゥデラに向かう車窓から見た紅葉。
書き出したらとまらない、忘れられないものたちでした。

【亜矢ちゃん】

フォルクローレのコンクールの日に、私のところに神様が降りてきました。こんな事初めて!おばちゃんからもらった中尊寺のお守りを持ってきたからかな。亡くなったおじいちゃんやおばあちゃんにお祈りしたからかも…。とにかく神様は、奇跡みたいに私の肩の力をすーっと抜いてくれました。それから、一つ一つのパートの音をとてもよく聴かせてくれました。曲そのものだけでなく、お客様と共有できるこの時間をゆっくり味わいながら表現させてくれました。とにかく楽しくて楽しくて、うれしくて!歌い終わってみんなに聞いたら、みんなもすごく楽しかったんだって!あの空気、あの雰囲気、あの日々があってのこの体験なんだとつくづく思います。
Juriは、Juriだけで歌っているのではないことを痛感した旅でした。メンバーがいて、素晴らしい環境(歌う・暮らす・表現する・聴いてもらうなど全て含めて)があって、まさくん、ただち君がいつもいてくれて、イニーゴ君をはじめとする現地ボランティアスタッフの暖かい笑顔と安保さんのスーパーサポートがあって。日本でもたくさんの人たちに応援していただきました。本当に感謝しています。ありがとうございました。

【淳子ちゃん】

スペイン遠征の感想
・ 帰国後、友人たちに「どうだった?」と聞かれ、真っ先に「生ハムがおいしかった」と答えているのは私。音楽のこと言えよ。しかしながら食事は本当においしかった。コーラルランチの豆スープ以外は…。
・ 連日のコンサートの最後に、バスク語の曲を歌うと泣き出す老人たちがいた。思わずもらい泣きしそうな涙だった。バスクでは音楽と言葉と歴史と人々とが互いに結びついていた。それを体感できたことはコンクールに出場したことよりも意義深いことだ。
・ フォルクローレの本番。「これほど歌っていて楽しい瞬間は1年に1度あれば良い方だ」というくらいの楽しい音楽ができた本番であった。歌うということがあまりにも当たり前に私の中から発生していた。ヒトが呼吸することと同じくらい自然に、必然に、歌っていた。気持ち良かったぁ(涎)。あの感じ、忘れられません。それだけでスペインに行った価値があった。

【公子ちゃん】

合唱を長らく休んでいた私を快く迎えて下さった団員の皆様ありがとうございました。外国で演奏と聞いて「また教会で歌える!?」と思い、つい参加してしまいました(笑)。
スペインには以前行ったことがあり、街にはそれぞれ立派なカテドラルがあり、そこで歌えるなんてス・テ・キ!!と思ったのです。
コンサートは大変ではありましたが、聴衆の反応を忘れることは出来ません。本当にステキな素晴らしい経験でした。
観光旅行と違い周りは常に日本人。日本で合宿生活?!と錯覚するくらいでした。唯一、カードの明細がユーロ/円換算してあることで外国に行っていたのだと実感するのだと思います。

【紅子さん】

「住所:ホテルアラメダ206号室」
ホテル生活も1週間位になると、その室内での行動にパターンが出てきます。シャワーの使い方、クローゼットへの衣類の出し入れ、洗濯物(?)の干し方、机の引き出しには細々した雑貨類…。スーツケースの中身をすべて出して、普段の生活の様にあるべきところに必要なものを据えて過ごす、ホテルが自分の部屋になる、そういう旅行に憧れていました(これって何だかゴージャスな気がしませんか?)
そうなることを期待したサラウスの街での1週間は、優雅な日々とはほど遠く、ハッキリ言ってかなり疲れました。1位をいただいた嬉しさも減衰させるほど…。年のせい?とは思うものの、海外コンクールへの参加には強靱な体力と精神力が必要なのだ、とつくづく思い知らされたスペイン体験でした。
いつかあらためてゆったりしたスペイン時間を味わいに訪れたいものです♪

【満奈津さん】

トロサでの全ての出来事…わらったこと、涙したこと、こころが震えたこと、胸が熱くなったこと…いろんなことが次々に出てきて言葉にできません…。
でも、実は私にとっては、Juriの練習に通ったこと、夏からの全ての記憶が「トロサ」でした。毎週鈍行で、夕暮れの山々を眺めながら甲府に向かったこと、いつも駆け込みで高尾行きの最終電車に乗って…がらんとした電車が夜の闇を走っていくのだけれど、なんだか銀河鉄道の夜、みたいでとても幸せな時間でした。フォルクローレの前の夜、夢の中で私はもう一度Juriに初めて伺ったあの日に戻っていました。みなさんに本当によくしていただいたこと、小さな思い出一つ一つが浮かんでくるうちに涙がぽろぽろこぼれて、いつのまにか夢から覚めても泣いていました。そして翌朝の練習で、それまでいつも5線譜を「なぞる」ように歌っていた“ぬえ草”が、頭で考えることなく一つ一つ「腑」に落ちていくのを感じたときに、今まで感じたことのない、痺れるような何かが私の身体を駆け抜けていきました。
イギリスで暮らしていた頃、北部の田舎町で周りに日本人もいなくて、何より、自分の居場所がわからず淋しかった私を助けてくれたのは歌でした。今回、またひとつ、音楽を通じて、素晴らしい出会いが出来たことを本当にありがたく思っています。
Juriのみなさん、藤井先生、そして、私のわがままを許してくださった片山先生や風音の仲間に心から感謝いたします。ありがとうございました。


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